具体的な仕事内容
眼科で働く看護師の仕事は、「外来業務」「病棟業務」「手術室業務」の3種類に分けられます。ただし、すべての病院でこの3つの業務を行っているわけではありません。街のクリニックのように入院や手術の設備がないところでは外来業務のみです。規模が大きく手術件数が多い病院がこのような分業制を採用しているようです。
「外来業務」
まずは外来業務の詳しい内容を見ていきましょう。外来の主な仕事は「患者の問診や検査」です。眼科は他の診療科に比べて検査業務が多いのが特徴です。一般的な視力検査をはじめ、眼圧検査や色覚検査、超音波検査、光学的眼軸長検査などさまざまな検査を行っています。眼科の経験がない人には耳慣れない検査も多いのですが、操作が簡単なものばかりなので徐々に慣れてくるはずです。
検査以外の仕事は医師の診察補助、患者の呼び込みや処置、採血や点滴などですが、時には待ち時間や説明不足で不満を抱えている患者のクレームに対応することもあります。
「病棟業務」
次に病棟業務の詳しい内容を見ていきましょう。病棟の主な仕事は「検温や点滴などの看護業務」「患者の状態を観察し異常を早期に発見する」「手術前の処置や手術室への搬入、術後管理など手術に関する業務」の3つです。
近年の眼科手術は日帰り手術が一般的で入院患者の数も減少しているため、他の診療科に比べて処置が少なく重労働もほとんどありません。体力的にも楽な職場だといえます。
ただし、体力的に楽だからといって忙しくない、というわけではありません。入院患者が少ないため、病棟業務に関わる看護師は少なく配置されています。眼科手術は短時間で何件も行うため、患者を取り違えないように注意しなければなりません。病棟業務は少人数でも正確に効率よく業務を行うことが要求されます。
また、病棟は患者からのクレームも受けやすいですが、患者は医師よりも看護師の方を身近に感じており、不満や不安をぶつけやすいためです。入院患者の大半は意識が鮮明で自力で行動できる人ばかりです。状態が改善、もしくは悪化していることをはっきりと自覚しているため、説明が不十分だったり、曖昧な対応をされると混乱してしまうのです。病棟では身体のケアだけではなく精神的ケアも求められています。
「手術室業務」
最後に手術室業務の詳しい内容を見ていきましょう。手術室業務はその名の通り、「手術に関する業務」が主な仕事です。器械の準備や滅菌、片付け、患者の対応や器械出しなどを行います。小さな球型である眼の手術は、繊細で高額な器械を用いて行います。取り扱いには十分に注意しなければなりません。また、手術は局所麻酔下で行われているため、意識が鮮明である患者が大半です。手術中の会話はすべて聞こえているため、言動や対応の仕方に注意が必要です。