眼科とはどのようなところ?
眼科は眼を対象とした診療科で、眼科疾患の治療はもちろん眼の機能を維持することにも注力しています。眼科の役割は失明を防ぎ、快適な生活を送れるように手助けすることです。
小さいながらも緻密な作り
眼はわずか直径約24mm程度の小さな球型です。しかし、内部はとても緻密な作りになっています。複雑に組織や神経が張り巡らされており、眼から見た映像を脳へ伝えています。私たちは情報の9割を眼から取り入れており、毎日の生活の中で重要な役割を果たしています。
診察対象
眼科では「視覚異常」や「充血」「めやに」「眼の痛みや腫れ」「ゆがみ」「痒み」「渇き」「眼の疲れ」など、さまざまな症状の診察や検査を行っています。眼科でできる代表的な検査を紹介します。
まず1つ目は一般的な視力検査です。ランドルト環とも呼ばれるこの視力検査は、黒いCの隙間がある方向を当てて視力を測ります。裸眼だけではなくメガネやコンタクトレンズなどで矯正した視力も測ることができます。また、検査によって近視や遠視、乱視、老眼、弱視かどうかも分かります。
2つ目は眼の屈折を測る屈折検査です。視力を検査する時に気球の写真を見たことがあるはずですが、あれは物事がはっきり見えているかどうか、ピント(屈折)を測っているのです。結果次第では調節を取りのぞく目薬を点眼してより精密な屈折検査を行う場合もあります。
3つ目は視野の広さを測る視野検査です。眼の病気の中には視野に異常が起こるものもあります。例えば、視神経に障害が起こり視野が狭くなる緑内障は見えない部分が大きくなっていくにもかかわらず、視力が変化しないため自分では異常に気づかない場合があります。自覚がないまま症状が進行している可能性もあるため、視野検査で異常がないか確認するのはとても大切なことです。
4つ目は眼圧検査です。眼圧検査計で眼に空気をプシュッと吹きつけて検査します。眼球内は房水という液体で満たされており、一定の圧を保ちながら循環しています。この圧力を「眼圧」といいます。眼圧は病気によって高くなることがあるため、異常がないか眼圧検査で確認します。
5つ目は「眼底検査」です。眼底とは眼の奥の方にある組織で、医師が眼底鏡と呼ばれるレンズとライトを持って異常がないか検査します。この検査によって眼の病気はもちろん、糖尿病や高血圧なども発見できます。
6つ目はOCTと呼ばれる光干渉断層像検査です。これは、近赤外線を利用して網膜の断面の画像を見る検査で、加齢黄斑変性や黄斑円孔、網膜浮腫などの診断に用いられます。
上記で紹介した検査はほんの一例です。眼科では症状に合わせていろいろな種類の検査を行っています。